- 本城直季 Naoki Honjyo
- 1978年生まれ。東京工芸大学芸術学部写真学科卒業、同大学院芸術研究科メディアアート修了。人物や建造物をミニチュアのように撮る独特の手法で人気を集め、現在雑誌や広告の分野で活躍中。これまでスウェーデン大使館のポスターや、三井不動産「Shibaura Island」の広告、雑誌では「コマーシャル・フォト」「広告」「PAPER SKY」「BRUTUS」などに写真が起用されている。2004年にはスウェーデン大使館にて展覧会「swedish style」、2005年5月にはsuperstoreにて展覧会「small garden」を実施した。2003年富士フォトサロン新人賞奨励賞、2003年エプソンカラーイメージングコンテストスチューデント賞、2004年写真新世紀佳作などを受賞。
- インタビュー:刀田聡子(TS)、近藤ヒデノリ(TS編集長)
- 写真:NOJYO
- 場所:superstore(九段下・松岡九段ビル)
- 日時:07/09/05

本城氏の近作 愛知万博を撮影したシリーズの1点
本城直季は、都市や建物をミニチュアのように撮る写真家だ。
彼の手に掛かると、どんな重厚な建物もどこか現実感を失って、代わりに作りものっぽさ、軽やかさ、そしてかわいらしさといったものが付加される。私たちは、その変化に驚きながら、飽きることなく写真の隅々、ディティールの一つ一つまで眺め入ってしまう。
デビューは、大学院卒業とほぼ同時期につくったラーメンズのポスターの仕事。その後、その作風の面白さが多くの人の関心をひき、次々と雑誌での作品発表や広告も手がけることになった。今ではネットのそこかしこで「『本城スタイル』はどうやったら撮れるのか?」が話題になっていたりもする。
そんな周囲の関心の高さをよそに、本人はいたってマイペース。少し照れながら話す中には、決して大仰な言葉は出てこない。けれど、「撮りたくないものは撮りたくない」という頑固な一面も顔をのぞかせる。将来のことはあんまり深く考えてないけれど、これからも「作品」を作り続けていきたいと話してくれた。
本城さんが作り続けたい「作品」とはどんなものなのか、ミニチュア風の写真に込められた思いとは?この5月に展示「small garden」があった九段下のギャラリー、「super store」で話を聞いた。(刀田)
【1】都市のウソっぽさを表現したい

small garden
本城:実はその辺りの種明かしはもうしちゃっていて、「コマーシャル・フォト」などで撮ったときにインタビューで答えています。4×5のカメラを使ってアオリで撮っています。
近藤:本城さんの写真は距離感が面白いですね。撮る人がいつも遠くから撮っているので、「神の視点」っぽい感じがある。そういう写真を撮る視点と、実際に自分が周りの世界を見る視点に近いところはありますか?

SWEDISH WORLD

本城:そうですね。
近藤:そういう「都市の嘘っぽさ」という感覚は今、世界中で共通してもっているものだと思っていて、こういうスタイルで写真を撮っている人は他にもいると思うんですが、そういう人たちのことは意識してます?
本城:撮っているときは知らなかったんです。基本的には人と違うことをしようと思っていたので、誰もやっていないことをしているつもりだったんです。それで、後から「いたんだ」みたいな(笑)。
近藤:その逆をやっている人もいますよね。模型を組み立てて、それを本当っぽく撮る人とか。トーマス・デマンドなどがそうだと思います。日本人でも小粥武晴(+雄川愛)が架空の観光地の風景をつくって写真に撮っている。そんな中で本城さんが、都市のウソっぽさを表現したいというのは、なぜなんでしょうか?
本城:都市のウソっぽさというか、作られた世界に住んでいることのウソくささみたいな、当たり前のことなんだけどここは作られた世界なんだ、みたいなことを表現したいんです。 僕たちはもうすでに誰かに作られた世の中に住んでいてそこに何の疑問も持たずに当たり前のように暮らしている気がする。何の疑問ってこともないんだけど、むしろ疑問はいっぱいあって、でもその疑問がなんなのかわからないって言ってほうが早いのかもしれないですけど。東京ってあまりにも大きくて複雑なんで、住んでいてその「ウソっぽさ」みたいなのが何なのかはっきり言えないんですが、でも、もしかしたら写真で表現できるのかもと思って。
近藤:風景を観察していて一番興味があるのはどんなところなんですか?
small garden
本城:この小学校の運動会を写したシリーズ(『small garden』)では、子供の動きですね。一人一人が自由に動いていて、風景を見ると模型っぽいんだけど、その模型っぽい一人一人にはちゃんと動いていて意識があって、その表れがたまたまこのコンクリートの校舎の中だった…というような。
近藤:このシリーズでは、どの写真も必ず人が入っていますね。
刀田:本城さんの写真では、雑誌や広告の仕事だと人が入っていないものもありますが、ご自分で自主的に撮る作品のときには、必ず人を入れているんですか?
本城:…っていうわけでもないですね。必須要素ではないんですけど、自分的には入っていたほうが面白いです。テーマによって自分の作品を分けているんですけど、今はこの「small garden」という学校の模型シリーズと都市のランドスケープを模型のように撮る作品を作っていて、都市の方では人は意識せずに街全体を撮っています。その2つがテーマです。
近藤:「small garden」のときは、建物があってその中にいる人を観察しているところがあると思うんですが、都市のランドスケープの時に一番興味があって観察しているのはどんなところですか?
SWEDISH WORLD
本城:こういう人工的な世界の中に人が住んでる、っていうことを強調できたらなあと。
近藤:カラフルなコンテナを撮った作品もありますけど、その人工物っぽさというか、作り物っぽさを撮っていきたいと考えているんですね。
本城:そうですね。
近藤:本城さんの写真を見る人の反応って、「こんな写真見たことない!」とか色々あると思うんですけど、見ている人にもっとここをこう見て欲しいとか、そういう要望ってあるんでしょうか。
本城:もともとそこまでは見た人の反応は意識してはいないです。でも、撮っているうちにこのミニチュアっぽさ、一番最初の見た目に対する周りの反応が強いことがわかってきて、自分でもそっちの方を強く打ち出すようになって。コンセプトは「都市のウソっぽさを表現する」なんで、見た目だけじゃないところもあるんですけど、まあ人にはそこまで強要しないで(笑)、今は多くの人に楽しんで見てもらえればなあという風に思ってます。
近藤:ミニチュアっぽい見た目から感じる都市の嘘っぽさに共感している人もいると思いますよ。「small garden」シリーズは、海外の人が見ても「自分の学校の雰囲気に似ている」と思わせるような普遍性があるから、海外の人にもすっと受け入れられるんじゃないかな。
本城:そういうのは特に意識してないんですけどね。ごく普通のものを撮りたいとは思っています。
近藤:なるべく場所を特定させないように意識しているんじゃないか、というのはあると思います。まだまだ撮るものはたくさんあると思いますが、海外の街や風景を撮ることについてはどうですか?
本城:やはり一番面白いのは日本を撮っているときですね。自分がずっと住んでいるから、共感できる深さが違うというか。
【2】人工物がひとつあるだけでミニチュアっぽくなる

近藤:これ、普通にこの景色を眺めていても気持ちよさそうですね。
本城:展望台に上ると普通に見ていても気持ちがいいですよ(笑)。
刀田:ロケハンって、普段どうしているんですか?
本城:ロケハンには苦労しています。普段からバイクで回ってよさそうな場所を探したり。スウェーデンに行ったときは知らない土地で行き当たりばったりだったので、場所を探すのが本当に大変でした。
刀田:撮るのは、どういう場所から撮っているんですか?ビルの上とか?
本城:そうですね。あとは、展望台とかもよく行きます。
刀田:じゃあ、逆に高いところに行ってから探すみたいなことも多いんですね。
本城:そうですね。だから、撮りたいものがあって、かつそこを撮影できるような高さがないと撮影できないんです。撮る高さに関しては、あんまり高すぎてもつまらないのかなと思って、写っている街や人の生活が感じられるくらいの高さで撮るようにしてます。人が住んでるってことを強調できたらなと。
NOJYO:本城さんの写真を見ていると、(都市が)作られたものって感じがすごくするよね。僕たちはリアルな世界を生きてるんだけど、それが写真に変換されて、ちょっとだけ違う風に見えているだけなのに、本当に作られた世界の中で生きてるんだなって実感してしまう。不思議だよね。
本城:面白いのは、田舎に行って森だけ撮っても全然ミニチュアっぽくならないんですよ。でもそこに小屋でもなんでも、人工物がひとつあるだけでミニチュアっぽくなる。
刀田:じゃあ、さっきの湖をボートが一艘だけ横切っている写真も、ボートがなかったら…。
本城:ミニチュアには見えないと思いますよ。あれは黒部ダムなんです。本当に人工で作られたダムで。それで撮っているんですけど。
刀田:なるほど。このミニチュアのシリーズは、どの作品も見る人はつい隅々までじっくり見入ってしまうと思うんですけど、それも特徴の一つですね。
NOJYO:本城さんの写真は子どもが見ても喜びそうだよね。普通の写真って子どもはなかなか反応しないけど、こういうのって単純で、喜ぶと思う。
近藤:そうだよね、純粋な見る喜びみたいなものがある。
刀田:ちなみに、写真の加工などはしているんですか?
本城:アオリのぼかし具合については加工はせずそのままですが、色は少し手を加えています。スキャンしたときに色がばらつくので、それを直す程度ですが。
近藤:今回展示しているのに比べて、インクジェットの方はすごく色がポップな印象がありますね。
本城:インクジェットで出すとどうしてもそうなりますね。スキャンしたときにコントラストがついて、自然に。(手元の写真を見せながら)こっちは印画紙なんですけど、印画紙の方がホンモノっぽいですね。よりミニチュアっぽく見える方をと思って、最近の作品はインクジェットで出しています。
【3】今のスタイルになったきっかけ

本城:大学に入ってから写真を撮り始めたんですけど…。高校生のときはバスケと映画漬けの毎日でした。バスケ部の練習が終わって家に帰ると、疲れきって何もする気がないので、ずっと家で入っていたWOWOWを見てました。それで、自分でも映画が撮りたいと思って東京工芸大学の映画学科を受験したんです。でも受からなくて、その代わり写真学科には受かったので、写真でいいか、と(笑)。
だから大学に行ってなかったら写真を始めていなかったんです。大学院に行ってもずっと写真ばかり撮っていて、その時間がなかったら今の自分はなかったと思う。大学には遊びに行っていたような感じだったので、あまり周りの人には影響は受けていないんですけど。
刀田:そんな中、今のスタイルになったのはいつからなんですか?
本城:大学のときにアオリを使った写真を見たことがあって。大学の図書館である時たまたま写真集を手にとって、それがアオリの手法で撮られていたんです。僕は映画を撮ろうと思っていたし最初は写真のことは知らなかったんで、「この写真はなんだろう?」(笑)と思っていましたが。一番最初は何もわからずにアオってたんですけど、その内に高いところから撮るとミニチュアみたいに見えるのが面白いな、と思うようになりました。
近藤:最初に世の中に出るきっかけになったのはどんな仕事だったんですか?
本城:「コマーシャル・フォト」という雑誌があって、2003年にフォトサロン新人賞で奨励賞を受賞したときに編集長と知り合ったのをきっかけに、4点くらい写真が載ったことがあるんです。それを見てグッドデザインカンパニーの水野学さんが連絡をくれて。それがはじめですね。ちょうど大学院を卒業するときでした。そのときは、水野さんとラーメンズの劇場のポスターを作ったんです。その流れで、スウェーデン大使館の仕事もすることになった。「お金を出すから行って撮ってきて」みたいな感じで言われて行ったんです(笑)。
SWEDISH WORLD
近藤:何日間くらい行ったんですか?
本城:1週間・・・5泊7日かな。
近藤:それは結構きついですね(笑)。「一人で好きなように撮ってこい」なんですか?
本城:もう、お金あげるから一人で行って撮ってきなよ、みたいな。もちろん、現地の人をガイドで紹介してもらっています。でも、完全に仕事でもないんですよ。とりあえず、自分の作品を作ってくる感じでいいから、いいものが撮れたら採用する、ということで展示も最初からできるようにするし、ポスターもつくるし。
近藤:理想的ですね、それは(笑)。ひょっとしたらダメでした、みたいな可能性もあるのに。
【4】初期の作品について

近藤:(ポラロイドの作品集を見ながら)これがミニチュアのシリーズの前の作品ですか?
本城:これが一番はじめの頃の作品ですね。毎日ポラを持ち歩いていただけで、あまり作品だとは考えていないんですけど。ずっと撮ってたんでまとめたという感じで。
刀田:ずいぶんかわいい感じですね。女の子が撮った写真みたいで。
本城:かわいらしいものが結構好きなんですよ。

本城:祖父の家です。この写真も特に作品と意識して撮ったものではないんですけど。僕はずっと東京で、今は一緒に住んでいないんですけど、当時は祖父・祖母と住んでいたんです。そのころ祖父の入院があって、その前後含め様子を撮った写真を、自分で本の形にまとめたものです。実は、僕は本の形というのに思い入れがあって、この写真のシリーズも本の形にすることでやっと完成したような思いがあります。

本城:夜の住宅街ってたまにドラマや映画のセットみたいだなって思うことがたまにあるんですよね、特に中野とか密集した住宅街で。それを写真で表現したのがこの作品です。すごいウソくさく感じるんですよね、実際の世界なのに作り込まれたセットみたいに感じて。
近藤:この写真だけモノクロですね。銀塩ですか?
本城:そうですね。学校の課題で作った作品で、学校ではまず基本だからという感じで、銀塩写真・モノクロ写真をずっと撮ってました。教育現場ではカラーはやらないんですよ。基本的には自分の住んでいる場所はどういった世界なのかというのを発見できたらみたいな所から写真を始めているのですが、でもモノクロ写真だと全然ピンとこなくて、当時は何を表したいのか、表現したいのかが全然自分でわからなくて、だからしばらくふらふら遊んでたんですよね(笑)。
刀田:その後今のようなポップな世界観になったのは、何がきっかけだったんですか?
本城:ホンマタカシさんの写真を見てすごく共感したんですよ。銀塩写真・モノクロ写真ばかり撮らされていて、表現したいことがわからなかった中で、ホンマさんは初めて共感できた写真家だったんです。ホンマさんの撮った郊外の写真集(『Hyper Ballad―Icelandic Suburban Landscapes』。1997年出版。アイスランドの郊外を撮った写真集)を見て、「写真って自分の考えを表現できる手段」と初めて気づかされたんですね。それがきっかけです。
【5】MY SOURCE マイ・ソース
刀田:グッドデザインカンパニーの水野さんから影響を受けたのはどんなところですか?
本城:影響というか、大学を出てからのきっかけですよね。ここまで来るための。水野さんからもらったスウェーデン大使館の仕事がさらに多くの人と結びついて。このギャラリーの野崎さん(今回の取材場所であるsuperstoreのオーナー。現在野崎さんは本城さんのマネージャー的な役割も担っている)も水野さんから紹介してもらって。
刀田:ほかのMY SOURCEについてはどうでしょう?
本城:実は今回すっごい迷って(笑)。何を書いたらいいのかなーと。「たま」は、中一の頃くらいだと思うんですが、初めて買ったアルバムが彼らのだったんです。普通はアイドルものとかを買うところだと思うんですが、そういうマイナーどころを選ぶのが自分らしいのかな、と。
刀田:立花隆さんについては、どんな部分ですか?
本城:立花隆さんの本は、影響を受けたかはわからないですけど、自分の中で「いいな」と思えて。人の精神的な面を深く書いてあって、例えば宇宙飛行士が帰ってきてからその心がどう変化するのかとか。宗教的な方に流れていく人が多いそうなんですが、そういう話がとても印象に残っています。
刀田:ホンマタカシさんの話は、先ほど聞いた通りですね。大学というのはどうでしょうか。
本城:大学も、写真学科に行かなかったら今の自分はないと思うので、その意味で挙げています。
【6】FUTURE SOURCE フューチャー・ソース
本城:自分の周りには、面白い表現者の友達がたくさんいて、彼らにはどんどん活躍してほしいと思っています。それでFUTURE SOURCEに挙げました。中年女性を撮っている牧野智晃くんは今度写真集も出すことで、世界的にも注目のまとになるのではと思っているし、渡辺一城という友達は豚を撮っている写真家なんですが、その写真がすごくて豚の奥深さについてかなり考えさせられました。もっと世の中の人に彼らの作品を知ってほしいと思って。
刀田:小林のりおさんはどんなところですか?
本城:小林さんは、たまたま自分たちがグループ展をやっていたとき上のフロアで展示をしてたんです。それで知って、それからWebをちょくちょく見るようになって。
近藤:もともと郊外写真の元祖みたいな人ですもんね。
本城:その後に4×5を捨てて、デジタルの「kitchen」シリーズに移ったんですが、その行動力とか、デジタルに対する考え方にすごく共感できたんです。すごくストイックだし、写真が当時銀塩主義の中で敢えてデジタルを提唱してアンチ銀塩、もっと言えばアンチ既成社会なところに惹かれました。
近藤:本城さんは今、フィルムでやっているわけですが、デジタルの写真についてはどう考えていますか?今後、自分でもとり入れてみようと思いますか?
本城:僕の場合撮影はフィルムですが、その後の過程はお金がなかったこともあって自然とパソコンでデジタルの作業をするようになっていました。デジタルも銀塩も、ほとんど自分では意識することなくやっていて、とりあえずフィルムで撮ってパソコンでそのイメージを確認して、自分の理想の形に近いかどうか見る、みたいな。
ただ、今のデジタル写真のほとんどは単に銀塩をデジタルに置き換えただけで本質的には何も変わってないので、デジタルだ銀塩だって議論すること自体は何の意味もない気がします。デジタルだからこそっていう写真を撮っている人は、小林のりおさんみたいに実際は少数派なのが事実な気がする。
刀田:リサイクルというのはどういう意味ですか?
本城:写真とは直接関係ないんですけど、リサイクルって循環するってことで、それってすごく大事だなと思っているので。水の流れでも、お金の流れも、人もそれぞれ循環することでうまくものごとが動いていくんだと思うんです。ゴミのことに関しても自分の身の回りのことくらいはできないと、と思っていて、その一例として挙げました。
刀田:浮世絵に関してはどうでしょう。
本城:自分の写真を撮るときに、風景を描いた浮世絵を参考にしたりするんです。浮世絵は構図がわかりやすいですよね、すごく。
刀田:最後に、北京と上海を挙げられていますが、行った経験はありますか?
本城:まだ行ったことはないです。でも、すごく興味があります。
近藤:僕はちょうどこの間上海に行ってきたんですが、今、東京の比じゃないくらいの勢いでビルが建っていたりしてすごいので、今後の被写体としても面白そうですね。
【7】これから撮りたいもの

本城:ずっと撮りたいと思っていた愛知万博をこの間撮ってきました。観覧車から撮ったりして。
近藤:万博を本城さんが撮るのって、皮肉だなあ(笑)。
刀田:各企業があれだけ力を入れているブースが、全部ミニチュアになるんですもんね。
本城:あの人工的な感じがうってつけだと思って(笑)。あとは、ハワイ。ワイキキビーチの人工的な感じとか。それと…、いま、戦争を撮りたいっていうのはありますね。本当に皮肉で。
刀田:それは本当に強烈なメッセージですよね。あと、写真家としてお仕事を続けていくにも、広告などの商業写真家から純粋なアーティストまで、いろいろなタイプがあると思うんですが、ご自身ではどういうジャンルで仕事をしていきたいと考えているんですか?
本城:そうですね、あまり深くは考えていないんですけど…。もともとずっと作品を作ってきたので、広告の仕事にも興味はありますけど、広告をやろうという風には考えていなかったんです。とにかく作品を作ろう、そういう気持ちでずーっとやってきて、それでそのまま世の中に出ちゃった感じで。
近藤:仕事と作品と、あまり差がないというか、切り替えていない印象を受けますが、自分の中でもそれは変わりないんですか?
本城:仕事で「これを撮って」と言われても、撮りたくないと思ったり、実際「それは撮れないですね」と言うことがあります。そう考えると、作品をずっと作っていきたいなと。
刀田:今後の写真の展開も楽しみにしています。今日は、長いお時間どうもありがとうございました。